
●心理的安全性を確保するために不可欠な2要素
グジバチは、心理的安全性は、チームの生産性を高め、成果、結果を上げるために必要な環境であり、それを実現するため2要素がチームに不可欠であると言っています。その2要素とは「構造」と「対話」になります。この2要素が揃うことで、チームのメンバー間でのお互いの建設的な意見の対立が可能になります。
●構造とは
構造の明確化は、Googleのアリストテレスでも上げられ、効果的なチームの特徴の一つです。
構造には次のようなものがあります。
・ビジョン、ミッション(事業の意味・意義)
・チームが目指す目標
・評価の基準
・仕事の役割・分担、ゴール、職務で求められるプロセス
これらが言語化され明示されれば、構造が明確であると言えます。いかがでしょうか、明確化されていますか。明確化されていれば、そのものに対しての意見をそれぞれが持ち話し合うことが出来ますが、明確化されていない、ダブルバインドであれば、安心し働くことが出来ません。ダブルバインドとは、矛盾する2つのメッセージを発することになります。
●ダブルバインド(二重拘束)
グジバチはダブルバインドの例を次のように紹介しています。
あるメーカーの新入社員研修で講師の依頼を受け「異文化コミュニケーション」についての講演で、『自分の考えをしっかり持ち、上下関係に捉われないフラットなコミュニケーションについて』話してほしいとの人事部の依頼であった。
公演当日、その会社に向かう道で、真新しいスーツに身を包んだ新入社員と思われる若者たちが、元気よく冗談を言いながら楽しそうに歩いている姿を目にしました。研修会場に案内され登壇すると、人事部長から「起立!礼!」一瞬にして上下関係が会場に出来上がり、次に部長は「今朝、駅から会社まで笑い声をあげながら歩いている人を見かけました、社会人としてはしたなく、慎むように」?????異文化コミュニケーション?フラットな関係?これがダブルバインドになります。