
引き続き、九州大学山口先生の論文『組織の「心理的安全性」構築の道筋』から
組織やチームのどのような変数が心理的安全性に影響をもたらし、心理的安全性が組織・チームのどのような変数に影響を及ぼすか、Edmondoson&Leiの研究結果から整理しています。
チームメンバーが個人のレベルで認知する心理的安全性の高さはリーダーシップ行動の影響を受け、個々のメンバーが心理的安全性を強く認知していることは、メンバーの意見、感情の表出、職務への没頭、知識・情報の共有の3つの変数に影響を及ぼし、創造性へとつながる関係にあります。

上記図は、チームレベルの分析結果が整理された図になります。
チームの心理的安全性に影響を及ぼすのは、チームが置かれている環境・状況に関する変数とチームワークに関する変数があり、チームの心理的安全性は、情報補共有や、コンフリクト(意見の衝突・葛藤)の頻度を介しながら学習し、チームパフォーマンス・意思決定の質に影響をすることが示されています。チームの心理的安全性の促進には、メンバーの相互独立性、仮想関係性、多様性、といって変数が組織変革につながるときに発揮されると指摘されています。
チームの心理的安全性の構築には、安心して発言できる安寧な環境を整えるだけでなく、お互いに忌憚なく意見を述べ合い、お互いの経験から学び合うチーム学習を通じて、チームにイノベーションを起こす風土を作る意味合いが含まれています。