
●心理的安全性=ゴールではない
Googleのプロジェクト・アリストテレスでもはっきり書かれています。心理的安全性はあくまで組織の生産性を高めるための一つの手段であり、ゴールではありません。生産性の高い組織の基礎となるものが心理的安全性になります。基礎であるが、いくら心理的安全性が高くても、成果が出せないチームは評価に値しません。
グジバチは次のように強調しています。
・職場は成果を生み出すための場所
・マネージャーにとってのゴールは成果を出すこと
そのための、第一歩が心理的安全性の確保になります。そこから始まるPDCAです。
心理的安全性を高めてビジネスで成果を出す。これは、心理的安全性が確保されているからこそ、メンバーが本来持っている力を発揮でき、チームパフォーマンスが向上し、成果につながる。このような連鎖を目指します。ビジネスの成果と心理的安全性は、鶏と卵の関係にあります。心理的安全性があるから成果が出る、成果が出るから心理的安全性が高まる。メンバー同士が努力を認め合い、
信頼が形成されます。しかし、成果が出ないと軋轢が生じストレスが高まり心理的安全性が低下します。
●心理的安全性を築く万能薬はない
心理的安全性という言葉が世界から脚光を浴びたのは、googleが行ったプロジェクト・アリストテレスの研究成果が発表されたことから始まります。生産性の高いチームの共通点はいくつかありますが、特に重要な要素それが『心理的安全性』であることが分かったのです。
しかしながら、心理的安全性を高める特効薬はありません。それぞれの会社、組織、チームの置かれている立場の違い等、多岐にわたります。ここで、グジバチは次のように話しています
「心理的安全性を高めるには、自分起点ではなく、相手起点で考え、行動する必要がある」
心理的安全性は個人の能力のようなものではなく、チーム、グループにあるとエドモンドソンも話しています。チームリーダー、グループリーダーが自分起点でなく、チーム員、グループ員を起点に考え行動することが心理的安全性には大切になってくると感じています。それでは、次回からは本題に入っていきます。