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🎓言葉を紡ぐ理由 ― 安全の本質を学ぶために

ブログ

2025.11.20

 安全という仕事に深く関わる中で、
私はいつしか「人の心」こそが安全の根底にあると感じるようになっていました。
どれだけ仕組みを整えても、最後に動くのは“人の意識と判断”。
そこを理解しなければ、本当の意味での安全はつくれない――
そう思うようになったのです。

そんな時、労働安全コンサルタントとして尊敬する先輩の話を聞く機会がありました。
その先輩は、理論と実践を兼ね備えた素晴らしい方で、
「安全を心理学から語る」姿に強く心を打たれました。

そして、その先輩が大阪大学大学院で心理学を学んでいることを知ります。
“安全と心理を結びつける学び”がそこにある。
私はその話に背中を押され、先輩に教授の紹介をお願いしました。


🏫退職してでも、学びたいと思った

受験を決意し、1次試験、2次試験(面接)と進み、
結果は――合格。

合格の知らせを受けたとき、
私はすぐに会社に報告し、「働きながら大学院で学ぶことはできないか」と相談しました。
しかし、返ってきた答えは予想外のものでした。

「前例がない。進学するなら退職してからにしてほしい」

それでも、私の気持ちは揺らぎませんでした。
ここまで安全に人生をかけてきた自分が、
もう一段深く、“人の心から安全を見つめ直す”ために進む道。
その選択を迷う理由はありませんでした。

そして、私は退職を決意し、
大阪大学大学院へ進学することを選びました。


🧠安全を“心の科学”から見るために

 安全の現場を離れる決断は、簡単ではありませんでした。
けれど、現場で経験した痛みや、人を育ててきた実感を、
心理学の視点からもう一度見つめ直すことで、
必ず新しい答えが見つかる――そう信じていました。

安全を守るためには、知識だけでは足りない。
人の行動の背景にある「心の動き」を理解する必要がある。
大学院での学びは、まさにその“核心”に触れる旅の始まりでした。


現場で感じた疑問を、学問で確かめる。
学びで得た気づきを、再び現場へ返す。
その往復が、私の“安全を紡ぐ道”です。

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