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「おっと」で止まった一歩

ブログ

2026.03.02

―― 段差に気づかなかったヒヤリハット ――

現場で、ほんの数歩の移動でした。

椅子に荷物を置こうと歩いただけ。
急いでいたわけでもありません。
足元をおろそかにしていたつもりもありません。

しかし、足が引っかかりました。

「おっと。」

転倒はしませんでした。
でも、確実に躓いていました。


原因は“わずかな段差”

そこは、もともとフラットだった場所です。

機械設置のために開口を設け、
その上に板で蓋をしていました。

見た目には問題がないように見えます。
しかし、ほんのわずかな段差がありました。

人は「いつも通りの場所」だと思っていると、
無意識に“平らだ”と判断します。

ここに、転倒災害の落とし穴があります。


なぜ気づかなかったのか?

心理学では、人はすべてを見ているわけではないと言われています。

私たちは
「意味があると思っているもの」だけを見ています。

  • いつも平らな床
  • 危険はないはずの通路
  • ほんの数歩の移動

脳は「安全」と自動判断します。

これが、いわゆる正常性バイアスです。

「いつも通りだから大丈夫」

この思い込みが、足元への注意を一瞬ゆるめます。


なぜ転倒しなかったのか

日頃から「躓き」に注意していたことが大きいと思います。

転倒しなかったのは偶然ではありません。

  • 足を高く上げる意識
  • ゆっくり歩く習慣
  • 手すりや周囲を意識する癖

普段の積み重ねが、とっさの姿勢制御につながります。

転倒は「突然」起きるのではありません。
日頃の行動が、その結果を左右します。


躓きは“重大災害の入口”

転倒は軽く見られがちです。

しかし実際は、

  • 高齢者の骨折
  • 頭部打撲
  • 後遺障害
  • 労災による長期休業

につながる重大災害です。

しかも多くが、

  • 「ちょっとそこまで」
  • 「急いでいなかった」
  • 「いつもの場所」

という状況で発生します。


対策はシンプルです

今回の事例から言えることは三つです。

① “変化”を共有する

開口を設けたなら、
「ここに段差があります」と周知する。

変化は必ず掲示・表示・声かけ。


② 段差は“無い前提”で作らない

板を置くなら、

  • 面を揃える
  • つまずき防止テープ
  • 色で強調する

視覚で認識させる工夫が必要です。


③ 数歩の移動でも油断しない

転倒の多くは「短距離移動」で起きます。

KYは大きな作業だけのものではありません。

「椅子までの3歩」も作業です。


ヒヤリハットは財産

今回、怪我はありませんでした。

しかし、
もし転倒していたらどうなっていたか。

それを考えることが、安全文化を育てます。

ヒヤリで止まった一歩は、
次の重大災害を防ぐ一歩になります。


最後に

安全は、大きな事故だけを防ぐものではありません。

ほんの数歩の移動。
ほんの数ミリの段差。
ほんの一瞬の思い込み。

そこに目を向けられるかどうか。

今回の「おっと」は、
躓き・転倒災害への大きな警鐘でした。

はまちゃんが日頃から転倒に意識を向けているからこそ、
ヒヤリで止まったのだと思います。

現場の皆さんにも、ぜひ伝えてください。

「いつもの場所こそ、いちばん危ない」

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