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雛祭りに学ぶ「守り育む」安全管理の心
1. 雛祭りと日本の文化
3月3日は雛祭り。女の子の健やかな成長と幸福を願い、ひな人形を飾る日本の伝統行事です。このお祭りには、「大切なものを守る」「災厄を遠ざける」という願いが込められています。ひな人形が身代わりとなって厄災を引き受けるとされ、昔から家庭で愛されてきました。
職場においても、雛祭りのように「大切なものを守る」姿勢は、安全管理の基本です。社員一人ひとりの命と健康、職場の平穏を守るために、日々の安全活動が必要です。
2. 雛人形に例える安全管理のポイント
雛人形は、ひとつひとつが役割を持ちながら、全体で調和した美しさを作り出します。このことは、職場の安全管理にも通じます。以下のように例えて考えてみましょう。
(1) お内裏様とお雛様:リーダーシップと見守り
- お内裏様とお雛様は、雛壇の中央で家族の安寧を象徴しています。
職場でも、リーダーシップを発揮する人が安全の中心に立ち、全体を見守ることが求められます。経営者や管理者が率先して安全管理に取り組むことで、現場の信頼を得られます。
(2) 三人官女:サポート体制
- 三人官女は、お内裏様とお雛様を支える重要な存在です。
職場では、安全管理責任者や教育担当者がこれに当たります。専門知識を活かして、従業員を支援し、職場全体の安全意識を高める役割を担います。
(3) 五人囃子:チームワーク
- 五人囃子はそれぞれ異なる楽器を奏で、調和の取れた音楽を生み出します。
職場の安全も、チーム全員が役割を果たし、連携することで成り立ちます。安全は一人だけの努力では実現できません。
(4) ひな壇全体:階層的な安全対策
- 雛壇は下から上へと順序良く整えられています。
職場でも、安全管理は階層的なアプローチが重要です。現場作業者、管理者、経営層のそれぞれが役割を果たし、全体で安全を築き上げる必要があります。
3. 災厄を遠ざける雛祭りの教え
雛祭りの原点は、厄災を人形に移し、それを川に流して災いを祓う「流し雛」の風習です。この考え方は、安全管理にも応用できます。
(1) 危険を「流す」ためのリスクアセスメント
- 危険な作業や状況を放置せず、リスクアセスメントを通じて洗い出し、適切な対策を講じることで「災いを流す」ことができます。
(2) 定期的な「安全の祓い」
- 定期的に安全点検や教育を行い、日常に潜むリスクを未然に取り除きましょう。例えば、機械設備の点検や作業手順の見直しなどがこれに当たります。
(3) 厄災を共有する「ヒヤリ・ハット」活動
- ヒヤリ・ハットを記録し、職場全体で共有することは、同じ災害が繰り返されないようにするための重要な取り組みです。災いを共有し、流していく姿勢が事故防止につながります。
4. 雛祭りの心を職場に取り入れる方法
雛祭りが家族の幸福を願う行事であるように、職場でも安全を祈る「行事」を取り入れてみてはいかがでしょうか?以下のアイデアがあります:
- 「安全祈願」イベント
年度の始まりや春に、安全目標を設定し全員で共有する場を作る。 - 「安全管理の見える化」
職場の安全取り組みを掲示板やポスターで可視化し、従業員の意識を高める。 - 「安全の伝統」を作る
雛祭りのように、毎年定期的に安全について考える日を設ける。これにより、安全意識が職場文化として根付くきっかけになります。
5. 結び:守り育む心が作る「安全」
雛祭りは「大切なものを守り、育てる」行事です。この心は、安全管理にも通じるものがあります。職場の全員が協力し合い、一人ひとりが「守る意識」を持つことで、安全は実現されます。
春の訪れとともに、職場に安全と安心の芽を育てる新たな取り組みを始めてみませんか?
雛祭りのように、一人ひとりが役割を果たしながら、全員で安全を守り育む職場づくりを目指しましょう。