濵口労働安全コンサルタント

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日本の行事は「安全の知恵」だった 〜新入社員に伝えたい、季節と安全のつながり〜


はじめに

4月。桜が咲き、新しい仲間と出会う季節。
新入社員の皆さんにとっては、初めての社会人生活がスタートする特別な時期ですね。

ところで、こんなことを考えたことはありますか?

「日本の行事や慣習って、何のためにあるんだろう?」

実は、昔から続く行事や季節の風習には、ある共通点があります。
それは──「みんなが無事に過ごせますように」という願い。

つまり、日本の伝統行事は「安全と健康の知恵の宝庫」なのです。


季節と安全は、昔からセットだった

日本は四季のある国です。
その分、自然の恵みもあれば、自然の怖さもあります。

昔の人は、それを経験から知っていました。

だから、行事は自然の変化に合わせて、 ・危険を避ける知恵
・安全に暮らす工夫
・みんなの無事を願う祈り
として受け継がれてきました。


例えばこんな行事

行事いつ頃実はこんな意味がある
お水取り(奈良・東大寺)3月春を迎える前に、人々の無病息災と安全を祈願
花見4月桜の開花は豊作の兆し。みんなで無事を喜び、春の安全を願う行事でもあった
夏祭り・盆踊り疫病や火事を防ぐ願い。人が集まることで地域の防災訓練の意味も
秋祭り収穫に感謝し、冬に向けて健康や安全を祈願
火の用心(冬の夜回り)寒い時期の火災予防と、地域の見守り活動

今の私たちにできること

もちろん、今の時代は神様に祈るだけでは安全は守れません。
でも、昔の人の「気づき」は、現代にもそのまま通じます。

昔の人が祈った「安全」は、
現代では「行動」で実現するものになりました。

たとえばこんなふうに。

昔の文化今の行動
お祈り・お参りヒヤリハット報告・危険予知(KY活動)
祭りのルール職場のルール・マナー
厄除け体調管理・健康診断
火の用心防火訓練・避難訓練

おわりに 〜あなたも「安全文化」をつなぐ人へ〜

社会人になるということは、「自分のことだけを考えていればいい」世界から、「みんなで安全に働く」世界へ入ることでもあります。

昔の行事に込められた「無事を願う心」は、現代の私たちにも通じる大切な価値観です。

これから花見や夏祭り、秋祭りと、季節の行事がやってきます。
そのとき、ただ楽しむだけでなく──

「この行事にはどんな安全の知恵が隠れているんだろう?」

そんな視点を持てると、あなたはきっと一歩大人の社会人になっています。

安全を考えること。
それは、日本文化を受け継ぐことでもあるのです。


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