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「紫はダメ」が「めっちゃ可愛いやん」に変わった話――思い込みを更新する力

ブログ

2026.09.30

仕事を手伝っていただいているパートナーとLINEで髪の色について話していました。

彼女は以前JRAで働いていたこともあり、人手が足りなければ応援に行く可能性があったそうです。そうなると、今の金髪を黒に戻さなければならない。

ところが、その話はなくなったとのこと。

私は今の金髪がよく似合っていると思っているので、

「じゃあ、もう少し金髪でいたら?」

と話しました。

すると返ってきたのが、

「紫にしようかな」

という言葉でした。

その瞬間、私の頭の中に浮かんだのが、

「紫=年配の女性」

というイメージです。

以前、彼女から「なぜ年配の女性に紫色の髪が多いのか」という話を聞いた記憶があります。

ところが、肝心の「なぜそうなのか」は忘れてしまっています。

理由は忘れているのに、

「紫の髪=年配の女性」

という印象だけが、しっかり頭の中に残っていたのです。

そのため私は、

「紫はあかんやろ」

という反応をしました。

ところが、そのあと彼女から「こんな感じ」と写真が送られてきました。

それを見た瞬間、

「めっちゃ可愛いやん。良いやん!」

私の判断は、あっさり変わりました。

「紫」という言葉だけで判断していた

あとから考えると、これは面白い心の動きです。

「紫」と聞いた瞬間、私は実際の髪型や色合いを見る前に、過去の記憶から判断していました。

以前聞いた話の詳しい内容は忘れている。それでも「紫=年配の女性」という印象だけが残り、それが判断の基準、つまりアンカーのような役割をしていたのでしょう。

人間は、何かを判断するとき、すべての情報を一から丁寧に検討しているわけではありません。

過去の経験や記憶、第一印象などを手掛かりにして、素早く判断します。

まさにSystem1の働きです。

今回の私も、

「紫」
↓
「年配の女性」
↓
「似合わないだろう」
↓
「紫はダメ」

と、ほとんど自動的に判断していたのだと思います。

写真一枚で判断が変わった

ところが、実際の写真を見たことで、それまで頭の中にあった「紫」と、目の前に示された「紫」がまったく違うことに気づきました。

紫といっても一色ではありません。

色の濃さも違えば、金髪との組み合わせでも印象は変わります。

さらに彼女から、

「金髪と紫は相性がいい」
「色が落ちていく途中もきれい」

と説明を受けると、私の中に新しい情報が加わっていきます。

最初は、

「紫はダメ」

だった判断が、

「それなら良いやん」

へと変わったわけです。

ここで大切なのは、最初の判断を変えることができたことだと思います。

思い込みを持つこと自体が問題ではない

人間ですから、思い込みを完全になくすことはできません。

むしろ、過去の経験や知識を使って素早く判断できることは、人間にとって必要な能力です。

問題になるのは、最初に下した判断にこだわってしまうことです。

もし私が、

「いや、紫は年寄りの色や」

と最初の考えに固執していたら、写真を見ても、自分の判断を正当化する材料ばかり探したかもしれません。

そこには確証バイアスまで加わってきます。

しかし今回は、

「ん? 思っていた紫と違う」
「これなら可愛い」
「じゃあ、最初の判断を変えよう」

となりました。

これは私がいつも大切にしているメタ認知にもつながります。

自分が何を見て、何を根拠に判断しているのかを、一度自分の外側から眺めてみる。

「今の判断は、目の前の事実から考えたものなのか?」

それとも、

「過去の経験や印象に引っ張られているだけなのか?」

と考えてみることです。

安全の世界にも同じことがある

これは髪の色だけの話ではありません。

現場でも、私たちは知らず知らずのうちに過去の経験をアンカーにして判断しています。

「この作業は何度もやっているから大丈夫」

「この設備は昨日まで問題なかったから今日も大丈夫」

「ベテランがやっているから大丈夫」

「この程度なら危なくない」

こうした過去の経験が判断の基準になってしまうと、今、目の前で起きている変化を見落とす可能性があります。

昨日まで安全だったことと、今日も安全であることは同じではありません。

作業員が違うかもしれない。

天候が違うかもしれない。

設備の状態が変化しているかもしれない。

周囲の作業状況が変わっているかもしれない。

だからこそ、

Stop ― いったん止まる。

Look ― 今の状況を見る。

Think ― 本当に大丈夫か考える。

この一連の行動が重要になります。

過去の経験を否定する必要はありません。

経験は大切です。

しかし、過去の経験だけで「今」を決めないことがもっと大切なのです。

「そうか、違ったな」と言えること

今回の出来事は、たった髪の色の話です。

「紫はダメやろ」

と思っていた私が、写真一枚を見て、

「めっちゃ可愛いやん」

に変わった。

でも、こういう小さな出来事の中にも、人間の判断の仕組みがよく表れています。

私たちは誰でも、何らかの思い込みやバイアスを持っています。

大切なのは、それをゼロにすることではありません。

新しい情報が入ってきたときに、

「あれ? 自分が最初に思っていたのと違うな」

と気づき、

「そうか。じゃあ判断を変えよう」

と修正できることです。

それがメタ認知であり、柔軟な判断につながります。

そして安全管理でも、この「判断を更新する力」はとても重要です。

今日の教訓。

紫と聞いただけで判断してはいけない。

そして現場でも、

「いつも大丈夫」と思ったときほど、もう一度、今を見て考える。

彼女との何気ないLINEのやり取りから、また一つ、自分自身の「脳のクセ」を見つけることができました。

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