濵口労働安全コンサルタント

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「整理・整頓・清掃」の重要性:現場での心がけと実践の違い

先日見た流通センター工事現場では、気になる光景を目にしました。この現場は2工区に分かれており、西側の工区では仕上げの段階に入っていました。舗装工事が進み、アスファルトも一見綺麗に仕上がっているように見えましたが、よく見ると多数の足跡が残り、安全靴の汚れがそのままアスファルトに転写されていました。さらに、外周フェンスが取り付けられた歩道部分も同様に汚れている状況が見受けられました。

なぜ「整理・整頓・清掃」が重要なのか?

工事現場では「整理・整頓・清掃」を徹底することが安全管理の基本とされています。この3つをしっかり実践することで、以下のような効果が期待できます:

  1. 作業の効率向上
    清潔な環境では資材や工具が見つけやすく、無駄な動きが減るため作業効率が上がります。
  2. 安全性の向上
    足元が汚れたり散らかっていると転倒や事故のリスクが増します。特に舗装後のアスファルトが汚れていると、滑りやすくなる可能性も考えられます。
  3. 品質への影響
    完成した建物や施設の周囲が汚れていると、仕上げの品質に影響を与えるだけでなく、竣工後の評価にも悪影響を及ぼします。

汚れを防ぐための具体策

今回の現場で感じた課題を踏まえ、汚れを防ぐための具体的な対策を以下に挙げます:

  1. 靴の洗い場の設置
    安全靴の汚れを落とすための洗い場を現場内に設け、作業エリアと仕上げエリアを分けることで汚れの拡散を防ぎます。
  2. 仕上げエリアの立ち入り制限
    舗装後のアスファルトや完成部分には不要な立ち入りを制限し、汚れが付着しないよう管理します。
  3. 日々の清掃習慣の徹底
    最終的に高圧洗浄で清掃を行うことも重要ですが、日々の作業後に簡易清掃を実施することで、汚れを蓄積させない環境を作ることが効果的です。
  4. 清掃スケジュールの明確化
    現場内で清掃スケジュールを共有し、誰がいつ何を清掃するのかを明確にすることで、責任感を持たせることができます。

出来る現場と出来ない現場の違い

「整理・整頓・清掃」を徹底できる現場と、そうでない現場には、いくつかの違いがあります。その鍵は以下にあると考えられます:

  • 現場リーダーの意識
    リーダーが整理整頓の重要性を理解し、率先して実践している現場では、自然と他の作業員にもその意識が浸透します。
  • 習慣化
    整理整頓が日々のルーチン作業として根付いている現場では、汚れや乱雑な状況が発生しにくくなります。
  • 設備の充実度
    靴洗い場や清掃用具など、必要な設備が整っている現場は、清掃が効率的に行えます。

まとめ

「整理・整頓・清掃」は、単なる清潔感の問題だけでなく、安全性や品質、作業効率に直結する重要な要素です。日々からの取り組みが最終的な仕上げや現場全体の評価につながることを忘れず、全員が意識を持って行動することが大切です。

顧問先には、整理整頓清掃である3Sの重要性をお話ししています。単発で最後に高圧洗浄すればよいでは、次の清潔・躾が身に付きません。顧問先の橋梁補修工事の現場では、日々清掃が実施され、足場を組み立てたときの状態が保持され続けています。清潔・躾が出来上がっている5S現場です。

綺麗な現場を維持するために、日常的な努力を惜しまず、「良い現場」の基準を高めていきましょう。

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