濵口労働安全コンサルタント

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家族を守る気持ちで取り組む安全配慮義務

安全配慮義務という言葉を聞くと、多くの人が「法律に従って仕方なくやるべきもの」という印象を抱きがちです。しかし、それは本来の意味や目的を見失わせるものです。安全管理の本質は、「現場の一人ひとりを家族のように思い、心から守りたいと願う気持ち」にあるのではないでしょうか。

現場は家族、所長は親のように

私が現場の所長として働いていた頃、現場を単なる仕事場ではなく「家」として考えていました。そして所長である自分は、その家を守る「親」のような存在だと思っていました。作業員一人ひとりは、私にとって大切な「子ども」のような存在です。

だからこそ、不安全行動を見過ごすことはできません。
ときには雷を落とす厳しい親でありながら、普段は子どもたちの成長や笑顔を心から喜ぶ優しい親でありたいと考えていました。

家族の絆を深めるための取り組み

100人近い作業員がいる現場をいくつも経験しましたが、私はいつも「どうすれば皆がモチベーションを高く持ち、楽しく仕事ができるか」を考えていました。その結果、現場では次のようなイベントを企画しました。

  1. ソフトボール大会や焼肉大会
    • 土曜日の昼からスポーツや食事を楽しむ時間を作り、心身をリフレッシュ。
    • 作業員同士の親睦を深める場となり、コミュニケーションの円滑化に繋がりました。
  2. 餅つき大会
    • 正月前の恒例行事として、みんなで餅をつき、一緒に新年を迎える準備を楽しみました。

こうした取り組みを通じて、作業員同士だけでなく、私と作業員の間にも信頼と絆が生まれました。それが**「笑顔が絶えない現場」**という目標を実現するための基盤となったのです。

安全配慮義務を「家族を守る気持ち」に変える

法律に定められた安全配慮義務は、確かに元請業者や所長としての重要な責務です。しかし、それを義務感だけで実施していると、現場にとっての本質的な意味を見失いがちです。

安全配慮義務の本質は、「一人ひとりの命を守ること」。
それを、「大切な家族を守る気持ち」で捉えることができれば、自然と肩の力が抜け、実際の行動にも温かさが加わります。

例えば:

  • 単なる危険防止のルール指導ではなく、どうすれば作業員が納得して守れるかを考える。
  • 作業員の声を聞き、不安や要望に真摯に向き合う。
  • 厳しい場面だけでなく、日々の小さな努力や成果を称賛する。

まとめ:笑顔が絶えない現場を目指して

安全管理は、法律の枠組みの中で実施するものですが、最終的には人と人との関わりがその成否を決定します。
現場を家族と考え、作業員一人ひとりを大切にすることで、法律に縛られるのではなく、自分たちが本当に守りたいものを守る安全管理が実現できます。

現場で笑顔が絶えないこと、それこそが本当の「安全」の姿だと私は信じています。そして、その笑顔は家族のような絆から生まれるのです。

これを読んでくださった皆さんも、ぜひ「家族を守る気持ち」で現場の安全配慮に取り組んでみてください。それが、働くすべての人々の笑顔につながります。

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