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― JFEアンローダー解体重大災害から考えるリスクアセスメント ―
2026年4月7日、神奈川県川崎市の
JFEスチール 東日本製鉄所(京浜地区)において、アンローダークレーン解体工事中の重大災害が発生しました。
公表資料によると、設備の一部である約400トンの円柱状のおもりが落下し、その上部で作業していた作業員らが約35メートル転落。複数の死傷者が発生する極めて重大な事故となりました。
事故原因は現在も調査中であり、警察は業務上過失致死傷の疑いを視野に捜査を進めています。
リスクアセスメントの基本から見た最大の疑問
今回の事故で、私が最も疑問に感じたのは、
「なぜ400トンもの錘を残したまま解体を進めたのか」
という点です。
リスクアセスメントにおいて、まず確認すべき最も基本的なハザードは
- 高さ
- 重さ
です。
今回の現場には、
- 約35メートルという高所
- 約400トンという超重量物
という、重大災害に直結する二大ハザードが存在していました。
危険を減らすのが安全管理の原則
安全管理の基本原則は、
「危険を見つけること」ではなく
「危険を減らすこと」
です。
であるならば、本来最初に検討されるべきは
- 錘を先に撤去できないか
- 高所作業を減らせないか
- エネルギーを小さくできないか
という方向です。
しかし今回の事故では、
最大の危険源を残したまま作業していた可能性があります。
重機を載せていたことへの違和感
さらに報道では、
約400トンの錘の上で破砕用重機を使用していた
ことも明らかになっています。
これは単に「作業していた」というだけではありません。
重機が加わることで、
- 自重による荷重増加
- 作業時の振動
- 荷重の偏り
- 動的荷重の発生
といった、追加リスクが発生します。
つまり今回の現場は、
危険を減らすどころか、リスクが積み重なっているように見える状態
だったのです。
警察も「通常ではない作業方法」と見ている
報道によれば、警察関係者からは
「通常、おもりの上で足場を組んで作業することはあまりない」
との見方も示されています。
もちろん、現時点では工法の妥当性を外部から断定することはできません。
しかし少なくとも、
一般的な施工方法とは異なる特殊な手順であった可能性
は否定できません。
協力会社提案であっても責任は元請にある
報道では、この工法は協力会社からの提案を採用したとされています。
しかし、ここで重要なのは、
施工計画を作成し、リスクアセスメントを実施し、最終判断を行う責任は元請にある
ということです。
提案したのが誰であれ、
採用した以上、その責任は施工管理者にあります。
今後問われるべきこと
現時点で事故原因は不明です。
しかし今後、明らかにされるべき本質は
「なぜ危険を減らす方向ではなく、残す方向の施工計画となったのか」
この一点だと私は考えています。
明日の現場のために
今回の事故は、特殊な大型設備の解体事故として片付けるべきではありません。
私たちの現場でも、
- 「このくらい大丈夫だろう」
- 「今のやり方の方が早い」
- 「手間がかかるからそのままで」
という判断で、危険を残したまま作業していないでしょうか。
最後に
安全とは、
危険を見つけることではありません。
危険をどう減らすかを考えることです。
今回の事故は、
その原点を改めて私たちに問いかけているように思います。
