ヒューマンエラーは結果!原因ではありません。
まだ記憶に新しい、東京八重洲ビル鉄骨落下事故!まだ、事故報告書は公開されていませんが、以前にもここで話したように、工事は再開されています。事故原因と思しき計算ミス!支保工の計算でミスがあったようです。まだ、正式発表ではないのであったようですになりますが。
事故の写真を見れば、建設技術者ならほぼ誰でも、支保工が崩壊している状態なので、鉄骨の架設作業に問題があったのではなく、支保工に問題があったと分かります。なぜ?作業で問題があり鉄骨が落下したのであれば、支保工は一部は崩壊しても全体があのように崩壊するのは考えにくいからです。では支保工の崩壊は計算ミスであれば、それはいつ頃分かったと思いますか?当日にはわかっていたと思います。崩壊の状態から支保工に問題がと気が付いたところで行うのが、計算の確認です。なので、その日のうちに計算ミスはわかっていたのではと推測します。
計算ミスは人が行うことで発生するヒューマンエラーです。人間である限り引き起こす可能性は誰にもあるエラーです。では、エラーを見過ごさないために行うのがチェックです。今回の支保工の場合、ビル建設工事の中では非定常作業に相当する作業です。他の鉄骨は支保工なしで組み立てられるところが支保工を組まなければ組み立て出来ない部分です。計算書のチェックは行われていたと考えたいです。
ヒューマンエラーは結果であり、そのヒューマンエラーが発生した原因を追究しない限り、同様の事故の予防にはつながりません。リーズンの分類ではスリップといわれる間違い、勘違いのエラーになります。では、なぜそのようなエラーが発生したのか、その先の検討が未だに出ないまま、工事は再開され、確実な確認、店社も確認、安全の強化などです。
確認したにもかかわらず事故が発生したのなら、確認方法を変える、第三者機関にお願いするなどの方策も考える必要があります。確認することがルールであったが確認していなかった場合、これもヒューマンエラーになりリーズンの分類ではバイオレーションいわゆる規則違反になります。やらなければいけないことをやらなかったために発生する事故です。今回の事故にはまだまだ奥があるのかもしれません。