建設業の「未来」を考える:週休2日の重要性
こんにちは。濱口労働安全コンサルタント事務所です。
今回は、事務所の近くで進行中の流通センター建築工事を例に、建設業界の働き方改革について考えてみたいと思います。
現場の現状:休めない建設業
この流通センターの工事現場は民間工事ですが、土曜日はもちろん、今月に入ってからは日曜日も少人数ながら作業を続けています。公共工事では、週休2日が守られるようになりつつありますが、民間の建築現場ではそうはいかないのが実情です。
2024年から建設業界にも週40時間制が導入され、原則として週休2日が求められています。しかし、現場を歩いてみると、それが徹底されているとは言い難い状況です。
なぜなのでしょうか?
若者が建設業を選ばない理由
建設業界における新卒採用が減少している背景には、やはりこのような「働き方」の問題があります。
労働環境が厳しく、休みが取れない職場で働きたいと思う人は少ないのが現実です。
「建設業界はきつい」「休めない」「将来が見えない」——そんなイメージが、次世代の人材を遠ざけています。
これが何を意味するのか?それは業界全体の未来が危ぶまれる、ということです。
元請企業の責任:週休2日の実現を
建設業の存続には、魅力的な職場環境が不可欠です。そのためには、元請企業が率先して週休2日を実現すべきだと私は考えます。
週休2日は単なる労働者の権利ではありません。それは、次世代の人材を確保し、業界を持続可能にするための重要な戦略です。
もちろん、短期的には工期の問題やコスト増加といった課題があります。しかし、目先の利益だけを追い求めていては、業界全体が衰退してしまいます。元請企業には「建設業を魅力ある業界にする」という大きな責任があります。
将来像を描けない現場の課題
残念ながら、今回の現場では、将来像を描く余裕がないように見えます。今の作業をこなすことに精一杯で、長期的なビジョンが欠けているのです。
ですが、本当にそれで良いのでしょうか?現場の全員が未来を描けないままでは、建設業界全体の未来も暗くなってしまいます。