ブログBlog
安全はタダですか?
労働安全コンサルタントとして事業を始めて6年が経ちます。この間、多くの企業の安全管理をサポートしてきましたが、いまだに「安全はタダで手に入るもの」と考えている会社が少なくありません。事故が起きて初めてその重要性に気づくというのが現実です。
しかし、現代の安全管理の考え方は進化しています。その中でも注目されているのが「Safety II(セーフティ・ツー)」というアプローチです。これは、事故を防ぐためにリスクをゼロにするだけではなく、安全な状態をどうすれば持続できるのかを考える方法です。そして、この考え方が、会社の利益にも直結するという点が大きな特徴です。
Safety IIとは?
従来の安全管理(Safety I)は、事故やミスを「いかに防ぐか」に焦点を当てていました。もちろんこれは重要なことですが、現場は常に予想外の事態に直面します。そのため、ただ「悪いことが起きないようにする」だけでは限界があります。
一方で、Safety IIは以下のような考え方に基づいています:
- 成功事例に注目する
日々の業務がうまくいく理由を分析し、その状態を維持するための方法を確立します。 - 現場の柔軟性を重視する
現場では、マニュアルでは対応できない問題が多く発生します。そこで、従業員が柔軟に対応できる仕組みを整えることが大切です。 - 安全は「コスト」ではなく「投資」
安全を維持することは、作業効率を高め、無駄な事故対応や賠償コストを削減するため、結果的に利益を生むのです。
安全は事業の基盤
安全は決して「タダ」で得られるものではありません。しかし、それに投資することで得られる利益や信頼は、企業の存続にとって不可欠なものです。事故やトラブルは、企業に直接的な損害を与えるだけでなく、従業員や社会からの信頼をも失わせます。
「安全あってこその会社」 という言葉を、ぜひ心に留めてください。Safety IIの考え方を取り入れることで、会社全体の安全性と利益を両立させる未来を目指しましょう。