濵口労働安全コンサルタント

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日曜日の建設現場と杜撰な安全管理

令和7年1月26日(日曜日)、私は看護師の妻を勤務先まで送る途中で、いつもの流通センターの工事現場を通りかかりました。その駐車場には数台の車が止まっており、日曜日にも関わらず作業が行われている様子でした。おそらく内装関係の業者が仕事に来ているのだろうと考えながら、ふと次のような思いが頭をよぎりました。

「本当に休みの少ない現場だな。建設業2024年問題なんて知らないのかもしれない。昭和の建設会社みたいな運営がまだ残っているんだ。」

建設業2024年問題とは、長時間労働の是正や働き方改革の一環で導入される時間外労働の上限規制が本格的に適用される課題を指します。しかし、このような問題意識がまるで現場に反映されていないのではないかと感じさせられる状況です。

安全管理の杜撰さを目の当たりに

妻を職場へ送り届けた帰り道、私は別ルートを選んで帰宅することにしました。その際、同じ工事現場のゲートが半開きになっているのを目撃しました。さらに驚いたことに、警備員も不在で、カラーコーンやバーなどで進入を防ぐ措置すら取られていませんでした。

日曜日にも関わらず、ゲートが開いたままで作業をしている現場を見て、私は改めて安全管理の甘さに憤りを感じました。工程管理として日曜日に作業を行うこと自体は必要な場合もあるかもしれませんが、その際には特に安全管理を徹底する必要があります。それができていない現場は、従業員や関係者だけでなく、近隣住民や一般の通行人にも危険を及ぼしかねません。

安全管理の基本が欠如した現場

安全管理の基本として、以下のような点が徹底されるべきです。

  1. ゲート管理: 作業時間外は必ずゲートを閉じ、第三者の侵入を防ぐ。
  2. 警備体制: 日曜日の作業時には警備員を配置し、現場周辺の安全を確保する。
  3. 明確な表示: 作業中であることを示す看板や注意喚起の表示を設置する。
  4. 工程管理の見直し: 必要以上に休日作業を行う状況を減らす。

これらは基本中の基本です。それにも関わらず、これらが守られていない現場を目の当たりにすると、「どうしようもない現場だ」と言わざるを得ません。

建設業界全体への提言

建設業界は、2024年問題をきっかけに働き方改革や安全管理の再構築を行うべき時期に来ています。昭和型の古い体質を引きずる現場では、労働者のモチベーション低下や事故発生リスクの増加が避けられません。

そのため、現場管理者や企業の経営層は、次のような取り組みを行うべきです。

  • 安全教育の強化: 現場の全員が安全管理の重要性を理解し、徹底する。
  • 工程計画の適正化: 無理のないスケジュールで働きやすい環境を提供する。
  • 第三者監査の導入: 外部の視点から現場の安全管理を見直す。

建設業界における事故やトラブルは、多くの場合、基本的な安全管理の怠慢から発生しています。今回目撃したような杜撰(ずさん)な管理がなくなるよう、業界全体で意識改革が求められています。

最後に

建設現場は、ただでさえ危険が伴う職場です。その上、安全管理が不十分な状況では、事故が起きるのも時間の問題です。今回の事例を通じて、読者の皆さまにも安全管理の重要性を再認識していただければ幸いです。

それにしても、毎度毎度、話題を提供してくれる現場です。

濵口労働安全コンサルタント事務所では、こうした現場の課題に向き合い、具体的な改善策を提案しています。建設現場の安全管理や労働環境の向上についてご相談があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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