濵口労働安全コンサルタント

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「部下のやる気スイッチを入れるためには、上司がどのような考えやアプローチを持つべきか」

やる気スイッチを押すために必要なもの

安全パトロールの中で、職長から部下がどうしたらやる気になるのかわからないとの質問があり、やる気について考えてみました。


部下のやる気スイッチを押す方法:「任せる」姿勢

「やる気スイッチ」は、個々の社員がモチベーションを高め、積極的に業務に取り組むための重要なきっかけです。実際の話し合いでも、多くの方が「責任を持たせてもらった時にやる気が出る」と答えていたように、仕事を任せることは、やる気を引き出すための有効な手段です。任された仕事に対して、社員は「期待されている」「信頼されている」と感じることで、責任感が生まれ、自然とやる気が高まります。

たとえば、私自身も以前、工事を任されるようになったことで、責任感とやりがいを感じ、大きなモチベーションの変化を経験しました。このような「任せる」姿勢は、部下にとっても同じように大きな効果をもたらします。部下が「自分の力が必要とされている」と感じられる環境は、やる気スイッチが入る絶好の機会です。


上杉鷹山の「芯の強さ」を育成に活かす

部下に責任を持たせることは一方で難しさも伴います。仕事を任せるには、指導者が部下の失敗も覚悟し、支えられるだけの「芯の強さ」が必要です。ここで参考にしたいのが、江戸時代の名君として知られる上杉鷹山の考え方です。鷹山は厳しい改革を断行しつつも、常に人々に信頼を置き、その成長を願って見守りました。その芯の強さと揺るぎない信念が、民衆の支持を集め、藩を再興する大きな力となりました。

部下の育成においても、上司がこのような「今季強さ」を持ち続けることは不可欠です。簡単に部下を見限るのではなく、時には失敗を許容しながらも根気よく成長を促す姿勢が、部下に「自分は信頼されている」「自分の成長を本気で願っている」と伝わり、やる気スイッチが入るきっかけとなります。


信頼が生み出す「自分が必要とされている」感覚

部下のやる気を引き出すには、「任せること」による信頼感が非常に重要です。「自分が必要とされている」と感じることで、単なる仕事以上の責任感が生まれます。この「やる気スイッチ」が入った瞬間、部下は主体的に業務に取り組み、自分の成長にも意識を向け始めます。

ただし、任せることは、無条件で自由に任せるという意味ではありません。適切なタイミングで助言を行ったり、目標設定を共に行うなど、状況に応じたサポートも必要です。そして、上司としての「芯の強さ」を持ちながら、部下を信じ抜く覚悟が、長期的な育成の成功につながるといえるでしょう。


このような視点から、部下の「やる気スイッチ」を押すためには、任せる姿勢と信頼を根底に持ち、上杉鷹山のような揺るぎない強さを持ったリーダーシップが求められると考えます。

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