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如月と安全:寒さを乗り越え、春を迎える準備

2月は「如月(きさらぎ)」と呼ばれ、日本の季節の移り変わりを象徴する月です。如月には「衣更着(きさらぎ)」という言葉が由来しており、寒さが厳しいため、さらに衣を重ねることが必要な時期であると言われています。この如月には、安全管理にも役立ついくつかの教訓が隠されています。

今回は、如月の持つ意味を振り返りつつ、季節特有のリスクにどのように向き合い、春を安全に迎えるための準備を進めるかを考えてみます。

如月の寒さが教える「安全管理の心得」

  1. 寒さを味方につける 如月は一年で最も寒い時期ですが、この寒さが自然界や私たちに重要な影響を与えています。低温が雑菌の繁殖を抑えるように、安全管理でも「寒さ」に目を向け、適切に対応することが重要です。
    • 防寒対策の徹底
      作業員には、防寒着や手袋、足元の保温を徹底することで体調不良を防ぎます。特に屋外作業では、温かい飲み物の提供や適切な休憩時間の確保が重要です。
    • 機械設備の点検
      冷え込みにより、機械部品が凍結や縮小で不具合を起こすことがあります。稼働前の点検を怠らないようにしましょう。
  2. 準備を重ねる心構え 「衣更着」という言葉が示すように、寒さに応じて衣を重ねるように、安全対策もその時期に応じて「上乗せ」をすることが必要です。
    • 季節特有のリスクを洗い出す
      如月の時期は、滑りやすい凍結路面や降雪の影響で転倒や車両事故が増える傾向があります。足元確認や滑り止め靴の支給を徹底しましょう。
    • 万が一への備えを強化
      万が一の事故に備えた応急処置の教育や、救急キットの整備も重要です。
  3. 春の準備を始める 如月は冬の終わりでありながら、春の準備が始まる月でもあります。安全管理でも、次の季節に向けた計画を立てる時期として捉えることができます。
    • 安全教育の見直し
      新年度に向けて安全教育の計画を見直し、必要な内容や教材を整えます。
    • 現場環境の整備
      春先にかけて増える湿気や気温変化に対応するため、設備の点検や修理を早めに行いましょう。

如月に気をつけたい具体的なリスクと対策

  1. 路面凍結による転倒や車両事故
    • 対策
      作業員には滑り止め靴を支給し、移動時の注意喚起を行いましょう。また、車両には冬用タイヤの装着を徹底させることが必要です。
  2. 低温による体調不良や凍傷
    • 対策
      防寒着や暖房器具の使用を推奨し、体温維持を促進します。寒い環境での長時間作業は避け、定期的に温まる休憩時間を設定しましょう。
  3. 低温が原因の機械トラブル
    • 対策
      機械の可動部分やエンジンを事前に点検し、凍結や異常がないか確認します。特に油圧機器のメンテナンスを怠らないよう注意が必要です。

最後に:如月を乗り越え、春を迎えるために

如月は厳しい寒さの中で、次の季節への準備が進む重要な月です。この時期を無事に乗り越えることが、春の安全な作業環境を作るための第一歩となります。「衣を重ねる」ように安全対策を重ね、職場全体で寒さに立ち向かう準備を整えましょう。

春の暖かさとともに、安心して働ける環境を迎えるために——今こそ、如月に学ぶ安全管理を実践してみてはいかがでしょうか?

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