確証バイアスが招く現場のリスク:見落としがちな「開かれた現場」の危険性
安全管理において、確証バイアスは非常に危険な落とし穴となり得ます。先日、ある建設現場での問題を目の当たりにし、改めて安全対策の重要性を考えさせられました。今回は、確証バイアスについて触れながら、現場入り口の安全管理に必要な対策について考えてみたいと思います。
1. 確証バイアスとは?
確証バイアスとは、自分の信念や期待を裏付ける情報ばかりを重視し、反する情報や別の視点を見逃してしまう心理的な傾向のことを指します。安全管理においても、「今まで問題が起きていないから大丈夫だ」といった先入観があると、潜在的なリスクが見過ごされがちです。
2. 現場で気づいた問題点:開放された出入口
最近、郊外のある建設現場で、出入口の危険な状況を目にしました。この現場は出入口が全面オープンになっており、誘導員も配置されていない時間帯があります。早朝から誘導員が来るまでの間、夕方5時の終業から作業員が全員返るまでのの間、特に、夕方以降は作業員も減り誘導員も帰った後は、門が締められることなく全開状態で、誰でも自由に出入りできる状態であり、無防備な構造が事故やトラブルの原因になりかねません。
3. 確証バイアスによる「見慣れた」現場のリスク
こうした開放された出入口が放置されている背景には、「これまで問題が起きていない」という先入観がある可能性があります。確証バイアスによって、日々見慣れた現場の状況に慣れきってしまい、危険を感じにくくなっているのかもしれません。しかし、いつもと同じように見える状況の中にこそ、見落とされたリスクが潜んでいることを忘れてはなりません。
4. 必要な安全対策
出入口の安全を確保するためには、次のような対策が考えられます。
門の開閉管理:出入口を一度開けたら閉めるようにし、不要な時は開放しない。
カラーコーンの設置:少なくともカラーコーンを設置し、外部者が安易に入れないような物理的な仕切りを作る。
誘導員の配置:可能であれば、誘導員を置き、車両や歩行者の安全な通行を確保する。
5. まとめ:確証バイアスを防ぐための意識改革
安全管理において確証バイアスを防ぐためには、常に新しい目線で現場のリスクを見直すことが必要です。建設現場は日々の繰り返しが多いため、慣れによる「安全だろう」という思い込みが生まれがちです。しかし、安全とは「何も起きていないから大丈夫」ではなく、「何か起きるかもしれない」と想定して備えるものです。
安全は、当たり前を疑うことから始まる。確証バイアスに囚われず、日々の業務を見直すことが安全な現場作りへの第一歩です。