第83回全国産業安全衛生大会での発表報告:YouTubeとGoogleフォームを活用した安全衛生教育
こんにちは、濵口労働安全コンサルタント事務所です。今回は、第83回全国産業安全衛生大会にて行った研究発表についてご紹介いたします。当事務所では、安全衛生教育に関する取り組みを強化しており、その一環としてYouTubeとGoogleフォームを活用した新しい教育手法について研究しました。
発表内容の概要
今回の発表では、従業員の安全に関する理解力を向上させるため、YouTubeとGoogleフォームを使用した教育プログラムを紹介しました。以下に、主な発表内容をまとめます。
1. 安全衛生教育の重要性
教育の現場では、小学生から大学生まで、さまざまな段階で学習効果の確認が行われています。しかし、社会人になるとOJT(On-the-Job Training)が主体となり、学習の機会が減少します。そのため、従業員の安全知識の定着度を測るための定期的な評価が重要です。
2. YouTubeを活用した教育
各企業で行われる安全教育の理解度向上を目指し、当事務所では、安全の基本に関する動画をYouTubeで配信しました。しかし、視聴者の積極的な参加が難しく、結果として動画視聴後の理解度テストにおいても大きな成果は得られませんでした。この点から、YouTube教育だけでは外発的動機づけに留まり、十分な効果が得られないことが判明しました。
3. Googleフォームを用いた教育
YouTube教育の課題を踏まえ、Googleフォームを活用した理解度確認テストを追加しました。毎月の安全会議時に実施されるテストは、従業員の自発的な学習(内発的動機づけ)を促進する効果が見られました。テストの結果が良くなかった場合は追試を行うことで、理解度の向上を図っています。
4. 結果の考察
今年度の研究結果では、YouTube教育後の安全テストでは有意な改善は見られなかったものの、Googleフォームを用いた教育とテストを組み合わせたグループでは、統計的に有意な差が確認できました(p値=0.0002)。このことから、定期的なテストとフィードバックが学習効果を高めるために有効であると考えられます。
今後の展望
YouTube教育とGoogleフォームテストを組み合わせた教育手法は、全ての事業所に適用できるわけではありませんが、効果的な安全衛生教育の手段としての可能性を示しています。今後も、更なる効果を検証しつつ、従業員の安全意識向上に向けた取り組みを続けてまいります。
引き続き、皆様の安全と健康を守るための情報発信に努めてまいりますので、今後ともご支援を賜りますようお願いいたします。ご質問やご意見がありましたら、お気軽にお問い合わせください。