
― 平均点90点の組織が示した「安全の本質」 ―
2年前、私は全国大会で「学習する組織と安全力の関係」について発表しました。
そのときにお伝えしたのは、非常にシンプルなことです。
👉 安全は、一度の教育では身につかない
👉 繰り返し学ぶ組織だけが、安全力を高める
そして今回、その考えが現場で証明されました。
令和8年度春の安全基本テストにおいて、
継続的に学習を続けている組織は、
👉 平均点90点以上
という結果になりました。
目次
■ 学生にはあるのに、社会人にはないもの
ここで一つ、考えてほしいことがあります。
私たちは学生時代、
- 中間テスト
- 期末テスト
- 小テスト
こうした「確認される仕組み」の中で学んできました。
学んだ内容は、必ず試験で確認されます。
だから、
👉 「分かっているつもり」は通用しません
しかし、社会人になるとどうでしょうか。
- 安全教育はある
- 講習も受ける
- KY活動もやっている
それでも、
👉 理解度を確認する機会は、ほとんどありません
実際に発表でも、
👉 教育成果や課題が数値として見える化されていない
という現状を指摘しました
■ 見えていない「安全力」
確認がないと、何が起きるのか。
- 誰が理解しているのか分からない
- どこが弱いのか分からない
- 教育の効果が分からない
つまり、
👉 安全力が見えていない状態
になります。
そして現場では、
👉 「やったつもり」の教育が積み重なっていきます
■ 実際に行った取り組み
この課題に対して、私は顧問先で取り組みを続けてきました。
年に2回の「安全基本テスト」です。
内容は、
- KY活動
- 指差呼称
- リスクアセスメント
- 熱中症
- 保護具
- 化学物質
- 工具
- 足場
- 建設機械
- 塗装・溶接
- クレーン・玉掛
Googleフォームで実施し、
- 結果を分析
- レーダーチャートで見える化
- 個別コメントをフィードバック
つまり、
👉 学習 → 確認 → 振り返り → 改善
このサイクルを回し続けています。
顧問先に建設会社が多く、建設系の項目になっていますが
今後、転倒、フォークリフト、通勤(自転車)、等を加えて行きます。
■ なぜ確認試験が必要なのか
ここが最も重要なポイントです。
確認試験には、3つの意味があります。
① 理解度の見える化
「分かっているつもり」を数値で確認できる
② 学習のきっかけになる
人は、確認されることで初めて真剣に学ぶ
③ 行動につながる
理解が深まることで、現場での判断が変わる
■ データが示した「有意な差」
全国大会での発表では、
- 学習する組織
- 学習しない組織
この2つを比較しました。
結果は明確でした。
👉 安全教育と確認テストを実施した組織では、有意差が確認された
👉 実施していない組織では、有意差は見られなかった
つまり、
👉 やるか、やらないかで結果は変わる
ということです。
■ なぜ差が生まれるのか
理由はシンプルです。
繰り返すことで記憶に残る
一度聞いたことは忘れるが、繰り返すと定着する
判断が早くなる
知識があると迷わず行動できる
学ぶ姿勢が変わる
試験があることで、自分から学ぶようになる
■ 学習しない組織で起きること
逆に、学習がない組織では、
- KYが形式だけになる
- 指差呼称が形骸化する
- ヒヤリハットが出てこない
そして、
👉 危険に気づけない状態
になります。
■ 試験の本当の目的
ここで誤解してはいけないのは、
👉 試験の目的は「点数」ではない
ということです。
本当の目的は、
👉 気づくこと
です。
- 自分は理解していなかった
- ここが弱い
- 次はこうしよう
この気づきが、
👉 行動を変えます
■ 継続することがすべてを変える
そして、最も重要なのは、
👉 継続すること
です。
単発の教育では変わりません。
- 半年に1回
- 毎年続ける
- 少しずつ積み上げる
これによって、
👉 安全は「知識」から「習慣」へ変わる
■ 最後に
安全は特別なことではありません。
日々の積み重ねです。
そして、その土台になるのが、
👉 継続的な学習と確認
です。
今回の平均点90点という結果は、
👉 「続ければ変わる」
という何よりの証明です。
👉 明日から現場で確認してほしいこと
「うちの現場は、学び続けているか?」