CONTENTS コンテンツ

心理学が教える安全文化(第2回)

ブログ

2026.08.12

2:6:2の法則は本当に存在するのか?

前回は、心理学者クルト・レヴィンの「場の理論」をご紹介しました。

人の行動は、その人の性格や能力だけではなく、その人を取り巻く環境との相互作用によって決まる。

この考え方は、安全管理を考える上でも非常に重要な視点になります。

今回は、多くの企業で耳にする「2:6:2の法則」について考えてみたいと思います。

2:6:2とは何でしょうか

2:6:2とは、組織の中では自然に、

  • 約2割が積極的に行動する人
  • 約6割が周囲に合わせて行動する人
  • 約2割が消極的な人

という構成になると言われる経験則です。

営業組織でも、学校でも、スポーツチームでも、似たような話を聞いたことがある方は多いでしょう。

もちろん、これは厳密に証明された法則ではありません。

しかし、多くの組織で似た現象が見られるため、一つの組織論として語られています。

私が不思議に思うこと

ここで、一つ疑問があります。

もし2:6:2が本当に存在するとしたら、

上位2割の人がいなくなったらどうなるのでしょうか。

実際には、多くの場合、今まで真ん中にいた人たちの中から、新しいリーダーが現れます。

では、反対に下位2割がいなくなったらどうでしょう。

また別の人が、その立場になると言われています。

つまり、

比率は変わらない。

これは、とても不思議な現象です。

能力だけでは説明できない

もし能力だけで決まるのであれば、

優秀な人がいなくなれば、組織全体のレベルは下がるだけのはずです。

しかし実際には、新しいリーダーが生まれます。

同じように、全員が積極的に働く組織になるわけでもありません。

つまり、この現象は「能力」だけでは説明できないように思えるのです。

「役割」と考えてみると…

そこで私は、

「組織の中で自然に役割が生まれているのではないか」

と考えました。

リーダー役。

支える役。

慎重な役。

しかし、ここで新しい疑問が生まれます。

もし役割だとすれば、

下位2割は、仕事をしなくてもよい役割なのでしょうか。

私は、この考え方には違和感があります。

組織に「仕事をしない役割」があるとは思えません。

では、この2割とは、一体どのような人たちなのでしょうか。

場の理論から考えると…

前回ご紹介したレヴィンの場の理論では、

人の行動は、

個人と環境の相互作用

によって決まると考えます。

もしそうだとすると、

2:6:2も、人の能力を表しているのではなく、

組織という「場」が生み出している現象

なのかもしれません。

しかし、まだここでは結論を出すことはできません。

次回は「下位2割」の正体を考えます

私たちは、つい

「上位」「下位」

という言葉で人を評価してしまいます。

しかし、本当にそうなのでしょうか。

下位2割とは、

能力が低い人なのでしょうか。

それとも、別の見方ができるのでしょうか。

次回は、この「下位2割」の正体について、心理学の視点から考えてみたいと思います。

もしかすると、組織を見る目が少し変わるかもしれません。

この記事をシェアする