
― 9月3日から始める小さな実験 ―
私は、かなりルーティンワークが好きな方です。
毎朝、仕事に出る前にブログ記事を書き貯め、平日は一日一話ずつ配信しています。安全通信、心理学教室、衛生瓦版なども毎週配信を続け、今年で8年目に入りました。
これだけ続けられるのは、書くことや配信することを辛いと感じていないからだと思います。辛くなれば、いくら「続けることが大切だ」と考えていても、どこかで止まってしまうでしょう。
続けること自体が、私の性格に合っているのかもしれません。
続けることに意味がある
一度に大きなことをするよりも、小さなことを繰り返す。
安全教育も同じです。
一度話を聞いただけで、人の行動が大きく変わることは、あまりありません。しかし、繰り返し情報に触れることで、少しずつ知識が積み重なります。そして、いざというときに、その知識を思い出せる可能性が高まります。
だからこそ私は、毎週配信することに意義があると考えています。
続けることによって、最初は意識しなければできなかったことが、次第に習慣になります。これは脳が行動を自動化し、考える負担を減らしている状態です。
ところが、習慣には弱点もあります。
いつもの流れに乗って行動していると、その途中にある「普段とは少し違う用事」を忘れてしまうことがあるのです。
いまだに起こる小さなラプス
私は夜、リビングでくつろいだ後、自分の部屋へ上がります。
その際、翌朝のために用意したものをリビングに置いたまま、自分の部屋へ行ってしまうことがあります。
以前、この出来事を「ラプス」としてブログに書きました。
ラプスとは、しようと思っていたことや覚えていたことが、行動する段階で意識から抜け落ちてしまうヒューマンエラーです。
「持って上がろう」と考えていなかったわけではありません。用意もしています。しかし、リビングを出て部屋へ向かうという、いつもの行動が始まると、用意していたものの存在が意識から抜けてしまうのです。
以前より忘れる回数は減りました。それでも、たまに起こります。
人間なのですから、仕方がない部分もあります。大切なのは、「また忘れた」と自分を責めることではありません。
なぜ忘れたのかを考え、忘れにくい行動の仕組みをつくることです。
メタ認知を行動に組み込む
そこで、2026年9月3日から、新しい習慣を始めることにしました。
リビングから自分の部屋へ上がる前に、一度立ち止まります。そして、自分の行動を少し離れたところから見るようにして、
「リビングに忘れているものはないか」
と確認します。
これがメタ認知です。
メタ認知とは、自分の考えや行動を、もう一人の自分が外から見るように確認することです。
ただし、「メタ認知をしよう」と思うだけでは、そのこと自体を忘れる可能性があります。そこで、リビングから出る、あるいは階段の前に立つという行動を、確認の合図にします。
階段の前で、
Stop――いったん止まる。
Look――リビングを見渡す。
Think――持って上がるものはないか考える。
この短い確認を、毎晩の行動に組み込みます。
習慣の力を安全に生かす
これは小さな実験です。
しかし、建設現場や製造現場の安全にも通じるものがあります。
人は慣れた作業ほど、自動的に動きます。自動的に動けることは、仕事を効率よく進めるために必要です。一方で、作業条件の変化や、いつもと違う危険を見落とすことがあります。
だからこそ、作業の区切りや開始前に、意識して立ち止まることが必要です。
「何か忘れていないか」
「いつもと違うところはないか」
「このまま進めても安全か」
この確認を行動の中に組み込めば、ヒューマンエラーを完全になくすことはできなくても、減らすことはできます。
私も、9月3日から実践を始めます。
果たして、リビングへの忘れ物はどこまで減るのでしょうか。
結果が出たら、またブログで報告したいと思います。小さな失敗を記録し、対策を試し、その結果を確かめる。これもまた、日常生活の中でSafetyⅡを実践することではないでしょうか。