安全大会で講師として『ヒューマンエラー』を話してきました!!
昨日、顧問先建設会社の安全大会が開催されました。安全講話として『ヒューマンエラー』についてお話をしてきました。労働安全コンサルタントなんだから誰で『ヒューマンエラー』に詳しいと言うわけではありません。私自身も大学院へ進学し心理学を学ぶことから『ヒューマンエラー』を詳しく学びました。
『ヒューマンエラー』は航空業界、医療業界から研究が進みました。『ヒューマンエラー』に関する論文も多くは航空現場、医療現場を取り上げたものになります。その他では原子力関連も『ヒューマンエラー』研究が進んでいます。原子力関連では、スリーマイル島原発事故、チェルノブイリ原発事故から研究が進みました。
危険な産業NO.1の建設業を取り上げた研究は多くはありません。心理学では『ヒューマンエラー』は発生した事故の原因でなく結果と考えますが、建設業ではいまだに『ヒューマンエラー』を原因と捉える傾向にあります。なぜ、心理学では原因でなく結果としてとらえるかと言えば、『ヒューマンエラー』の定義から考えることができます。ヒューマンエラーは『意図しない結果を生じる人間の行為』と定義されています。人間の行為=行動と置き換えることができ、人の行動はB=f(P・E)と関数で表されます(レヴィン 場の理論)人の行動は、P:人(人間性・個性・価値観等)とE:環境の関数で表されると言われています。ヒューマンエラーは人だけで捉えることは出来ないのです。そのエラーの発生した時の環境が大きく影響します。
今回の講話では、今年1月2日に発生した羽田空港JAL機海保機衝突事故についてお話をしました。なぜあのような事故が発生したのか、調査報告書が出ていないため、現在分かっていることから推測したお話になりましたが、ヒューマンエラーは結果でありその裏にある原因をどのように検討するかについてお話ししました。心理学からもっと深く考えると、認知心理学から人の認知についてから検討が必要になります。
ヒューマンエラーは人間である限り、誰でも起こす可能性があります。誰しもエラーを起こしたくて起こしているわけではありません。ヒューマンエラーによる災害・事故が発生した場合、原因と考えることなく、ヒューマンエラーは結果であり、その結果に至る原因を検討することが必要です。原因とすると同様の事故を防ぐことは出来ません。