
― 建設現場の動画は本当に難しい ―
最近、顧問先からの依頼で安全教育用の動画資料を作成しています。
実際にやってみて感じたのは、
「建設現場の動画をAIで作るのは想像以上に難しい」
ということでした。
日常風景の動画であれば、かなり自然な映像をAIが作ってくれます。
例えば、
・歩いている人
・会話している様子
・カフェの風景
・街中の映像
このような一般的な映像は、驚くほど簡単に作成できます。
ところが、建設現場になると一気に難易度が上がります。
目次
AIが作る「アメリカの建設現場」
現在の動画生成AIの多くは海外製です。
そのため、建設現場を指示すると、
・海外のヘルメット
・アメリカ風の作業服
・日本では見ない重機
・日本と違う足場
・広すぎる現場
・危険な作業姿勢
など、日本の現場とは違う映像になってしまいます。
こちらとしては、
「日本の普通の建設現場」
を作りたいのですが、AIは勝手に“海外の建設現場”を想像してしまうのです。
特に難しいのが、
・単管足場
・フルハーネス
・保護具の細かい仕様
・作業手順
・工具の持ち方
・重機との距離感
など、安全教育では重要になる細かな部分です。
ここがズレると、教育資料として使えません。
「AIが勝手に作る」という感覚
動画AIを使っていて感じるのは、
「AIがこちらの意図を完全には理解していない」
ということです。
文章ではかなり細かく指示を出しています。
例えば、
「日本の建設現場」
「白色ヘルメット」
「フルハーネス着用」
「単管足場」
「安全帯使用」
などを細かく書きます。
さらに、それを英語に翻訳して入力します。
しかし、それでもAIは、
・違う形の足場を作る
・安全帯が消える
・工具が変わる
・人物が突然増える
・ヘルメットの色が変わる
など、こちらの想像を超える動きをします。
まさに、
「AIが勝手に作る」
という感覚です。
15秒動画の難しさ
さらに難しいのが、動画時間です。
現在のAI動画は、長時間動画になるほど破綻しやすくなります。
そのため、現在は15秒以内で作成しています。
しかし15秒でも、
・人物の動き
・視線
・工具
・背景
・安全設備
を安定させるのは簡単ではありません。
途中から突然違う映像になることもあります。
5秒ごとのカット割りへ変更
そこで現在行っているのが、
5秒単位でカットを分ける方法
です。
例えば、
1カット目(5秒)
現場全景
2カット目(5秒)
作業員の動き
3カット目(5秒)
危険ポイントのアップ
このように細かく分割することで、映像の破綻を減らしています。
これは普通の動画制作にも近い考え方です。
AI動画は「全部を一気に作る」より、
短い映像を積み重ねる方が安定する
ことが分かってきました。
AI動画は「指示力」の世界
実際にやってみると、AI動画は、
「ボタン一つで完成」
ではありません。
むしろ、
・何を見せたいか
・どこを強調するか
・どう動かすか
・どこで切るか
を考える必要があります。
つまり、
動画制作の知識と現場知識の両方が必要
なのです。
特に安全教育では、
「危険を正しく表現する」
必要があります。
ここは一般動画とは違う難しさがあります。
それでもAIは可能性が大きい
しかし一方で、AI動画には大きな可能性を感じています。
今まで安全教育動画を作るには、
・撮影
・編集
・出演者
・現場調整
など、大きな費用と時間が必要でした。
AIなら、小規模事業者でも動画教育が可能になります。
まだまだ発展途上ですが、
「現場教育を変える力」
を持っているのは間違いありません。
失敗しながら試行錯誤することも、また勉強です。
安全教育もAIも、結局は、
「現場をどれだけ理解しているか」
が重要なのだと改めて感じています。