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「あれ?また忘れた…」ラプスは誰にでも起こる

ブログ

2026.07.29

お風呂に入り、リビングで少しくつろぎ、それから2階の自分の部屋へ向かう。

私には毎日のように繰り返している、ごく普通の生活の流れがあります。

お風呂上がりにはパジャマに着替えます。その時に新しいシャツは翌日着るために2階へ持って上がるのが習慣です。

ところが、ここ2〜3回続けて、そのシャツを持って上がることを忘れてしまいました。

「あれ?また忘れた。」

そんな小さな出来事ですが、心理学的にはとても興味深い現象です。

忘れたのではなく「途中で消えた」

このようなミスは、リーズンが分類したヒューマンエラーの「ラプス(Lapse)」に当たります。

ラプスは「やるつもりだったのに、途中で記憶から抜け落ちてしまうミス」です。

「シャツを持って上がろう。」

そう考えたこと自体は覚えています。

ところが、リビングでくつろいだことで、頭の中で保持していた「シャツを持って行く」という情報が消えてしまったのです。

これは能力不足ではありません。

人間の脳の仕組みそのものなのです。

ワーキングメモリには限界がある

私たちは何かを一時的に覚えて行動するとき、「ワーキングメモリ」を使っています。

しかし、この容量は決して大きくありません。

途中で別のことを考えたり、テレビを見たり、スマートフォンを触ったり、少し休憩しただけでも、新しい情報が入り込みます。

すると、

「シャツを持って行く」

という情報が押し出されてしまうのです。

つまり、

忘れたのではなく、記憶を保持できなかった。

これがラプスです。

建設現場でも同じことが起きている

この現象は家庭だけではありません。

例えば建設現場では、

「工具を持って行こう」

と思って歩き始めたのに、

途中で別の作業を頼まれ、そのまま現場へ向かってしまう。

「あっ、工具を忘れた。」

これも全く同じラプスです。

だから現場では、

  • 指差呼称をする
  • チェックリストを使う
  • 声に出して確認する

といった仕組みで、記憶に頼らない工夫をしています。

小さなラプスを笑わない

今回忘れたのはシャツでした。

困ることはあっても事故にはなりません。

しかし、このような小さなラプスは、脳が「今日は少し認知資源が不足しているよ」というサインでもあります。

このサインに気付ける人は、大きなミスの前に立ち止まることができます。

反対に、

「こんなことぐらい大丈夫。」

と思ってしまうと、別の場面でも同じようなラプスが起こるかもしれません。

Stop・Look・Think

私は最近、「また忘れた」と気付いたとき、自分を責めるのではなく、

「なぜ忘れたのだろう?」

と考えるようにしています。

これこそがメタ認知です。

自分を一歩離れたところから観察し、脳の働きを理解する。

人はミスをします。

しかし、そのミスから学ぶこともできます。

だからこそ、日常の小さなラプスを見逃さず、自分自身を観察することが、安全につながる第一歩なのだと思います。

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