
先日、不注意からクレジットカードとメンバーカードを紛失してしまいました。
メンバーカードは再発行すれば済みますが、クレジットカードはすぐに利用停止の手続きを行いました。幸い、不正利用はなく、再発行もネットで手続きできる時代です。大きな被害にならなかったことは幸運でした。
今回の出来事を振り返ると、「うっかり落とした」というスリップ(行動ミス)と思われるかもしれません。
しかし、安全管理の視点から考えると、本当の原因はそこではありません。
実は以前から、このカードケースはカードが少し落ちやすいことを知っていました。
「気を付けて使えば大丈夫。」
そう考え、そのまま使い続けていたのです。
ジェームズ・リーズンは、ヒューマンエラーを「スリップ」「ラプス」「ミステイク」「バイオレーション」の4つに分類しています。
今回の私のケースでは、カードを落としたこと自体はスリップです。
しかし、そのスリップを招いた本当の原因は、「落ちやすいカードケースを使い続ける」という判断をしたことでした。
これはリーズンの分類でいうミステイク(判断・計画の誤り)に当たります。
私は危険を知っていました。
危険を理解していました。
それでも、「注意すれば大丈夫」と考えてしまったのです。
ここが一番反省すべき点でした。
建設現場でも同じことが起こります。
「この通路はつまずきやすい。」
「この工具は少し使いにくい。」
「この作業方法は危ない。」
そう思いながらも、
「気を付ければ大丈夫。」
で済ませてしまうことがあります。
しかし、人間の注意力には限界があります。
疲れている日もあります。
急いでいる日もあります。
他のことを考えている日もあります。
だからこそ、安全管理では「注意してください」ではなく、「危険な状態そのものをなくす」ことが重要なのです。
私は今回の出来事をきっかけに、カードケースを買い替えることにしました。
これで同じミスが起こる可能性は大きく減ります。
ヒューマンエラーは、人を責めても減りません。
そして、多くの事故は「最後のうっかり」ではなく、その前の「判断の誤り」から始まっています。
今回、私自身がそのことを身をもって再認識しました。
安全とは、「気を付けること」ではありません。
人は必ずミスをするという前提で、ミスが事故にならない仕組みをつくること。
これこそが、安全管理の原点なのだと思います。
「人が起こす事故を、人が防ぐ」
この言葉は、人に注意し続けることではありません。
人は必ずミスをするという前提に立ち、そのミスが事故につながらない環境や仕組みをつくることです。
今回の出来事は、その原点を私自身が改めて学ぶ機会となりました。