
先日、久しぶりにオンラインで安全教育を実施しました。
時間はなんと7時間。
オンラインなので、会場で行う講習ほど大きな声を出す必要はありません。それでも話に熱が入り、気が付けば普段の講習と同じように力強く話していました。終わる頃には、心地よい疲労感が残っていました。
今回のテーマは、私が大阪大学大学院で学んだ認知心理学をベースにした安全教育です。
「安全を心理学の視点から考える」
この内容は、多くの受講者にとって初めて触れる考え方だったのではないかと思います。
オンラインでも伝わる手応え
オンライン研修では、約200名の方に受講していただきました。
もちろん、全員の表情を見ることはできません。
それでも画面越しに、
- 頷きながら聞いてくださる方
- 一生懸命メモを取っている方
そんな姿が目に入るたびに、「しっかり伝わっている」と感じることができました。
講師にとって、このような瞬間は何よりもうれしいものです。
ヒューマンエラーはなくならない
今回、受講者の皆さんに一番伝えたかったことがあります。
それは、
「ヒューマンエラーは誰にでも起こる」ということです。
ベテランでも新人でも、管理者でも経営者でも、人である以上、ヒューマンエラーを完全になくすことはできません。
だからこそ事故が起きたときに、
「誰が悪かったのか」
ではなく、
「なぜ、そのヒューマンエラーが起こったのか」
を考えることが重要です。
疲労はなかったのか。
時間に追われていなかったか。
思い込みはなかったか。
確認しづらい環境ではなかったか。
人だけを見るのではなく、人を取り巻く環境や組織まで含めて考えることで、初めて本当の再発防止につながります。
これはSafetyⅠだけでなく、SafetyⅡやレジリエンスの考え方にも通じる重要な視点です。
安全教育は「一度」では終わらない
安全教育は、一度受ければ終わりではありません。
人は忘れます。
慣れます。
そして、いつの間にか自己流になっていきます。
だからこそ、安全教育は継続することに意味があります。
繰り返し学び、繰り返し確認することで、安全に対する意識や判断力が少しずつ育っていきます。
実際に、繰り返し学習グループと学習をしないグループでは、有意差がありました。
いかに、学習の継続性が大切かを表すデータです。
次回も心理学をベースに
今回の研修は、オンライン教育を実施されている会社からのご依頼で実現しました。
今年8月にもう一度、そして来年1月にも同じテーマで実施する予定です。
毎回、受講される方に「安全とはルールを守ること」だけではなく、「人の心理を理解することでもある」と感じてもらえるような講義を目指していきたいと思います。
まとめ
私はいつも講義の最後に、次のようなお話をしています。
「人はヒューマンエラーを起こします。しかし、人は事故の拡大を止めることもできます。」
そのためには、人を責めるのではなく、人を理解すること。
そして、安全教育を一度きりで終わらせず、継続して学び続けることです。
昨日の7時間の講義を通して、改めて「安全教育の大切さ」を私自身も実感した一日になりました。